皮疹対する「軟膏」、「クリーム」、「ローション」の使い分け


」は、最も皮膚にしっかりと付着しますが、べたつきが強く使い心地はあまり良くありません。 「ローション」は、さらっとしていて使い心地は良いですが、汗やこすれ等でとれやすい傾向があります。 「クリーム」は、軟膏とローションの中間くらいの性質を持っています。

 

軟膏、クリーム、ローションはそれぞれ長所・短所があるため、患部に適したものを選ぶことが大切です。

 

 

 

  軟膏 クリーム ローション
基剤(薬の成分を保持するための材料) 水と油を混ぜた乳化剤 水と油を混ぜた乳化剤
(※水分量がクリームより多い)
刺激性 弱い 軟膏に比べて強い 軟膏に比べて強い
べたつき 強い 水を含むので伸びがよく、べたつきにくい 軟膏やクリームに比べて、ベタつきにくい
皮膚吸収 クリームやローションより吸収されにくい 軟膏より吸収されやすい 軟膏より吸収されやすい
使用に適した患部 どんな状態の患部にも使える。刺激性が弱いので肌の弱い人にも使える 主に乾燥している患部に使用。ジュクジュクした患部、傷がある部分には適さない。 軟膏やクリームが塗りにくい、頭皮など有毛部に適している。ジュクジュクした患部、傷がある部分には適さない
特徴 保湿力が高く、皮膚を保護する さらっとした使用感。汗などで流れやすい 伸びがよく、さらっとした使用感。水分が多く気化しやすいので夏場など汗をかくときのからだにも使いやすい
かゆみ/発赤があります。帯状疱疹などの可能性もあるため、当院受診での診察をお勧めします。
かゆみ/発赤があります。帯状疱疹などの可能性もあるため、当院受診での診察をお勧めします。

 

 皮疹には「クリーム」「軟膏」「ローション」と使い分けていきましょう。

どこに塗ったらいいかわからないときは、お気軽に、医師またはスタッフにご相談ください。


湿布のテープ剤とパップ剤の違い


パップ剤とテープ剤はどちらも貼付剤 (ちょうふざい)に分類され、消炎鎮痛によく利用される外用剤です。. パップ剤は水分を含む膏体 (粘着剤)の層があり、いわゆる湿布と言われるもの。. 貼ると冷たく感じる冷感タイプと温かく感じる温感タイプがあります。. これに対しテープ剤は薄いシート状で、多くの商品は肌色です。. パップ剤に比べ目立たない、剥がれにくいなどの特徴がありますが、冷感や温感はありません。

 

◇よく曲げ伸ばしをする関節➡︎テープ

◇かぶれやすい部分➡︎パップ

◇皮膚が弱い人➡︎パップ

◇急な炎症、腫れがある➡︎パップ

◇腰や背中などの広い部分➡︎パップ

◇外から見えやすい部分➡︎テープ

★つらい肩こり

★続く腰痛



がん発症予防

 

がんは、さまざまな要因によって発症していると考えられており、その中には予防できるものも多く含まれています。日本人では、男性のがんの43.4%、女性のがんの25.3%は、ここにあげた生活習慣や感染が原因でがんとなったと考えられています。そのうち、大きな原因は、喫煙(男:約23.6%、女:約4.0%)と感染(男:約18.1%、女:約14.7%)で、その他のものは比較的小さいと報告されています。このページでは、日本や海外の研究結果から科学的に明らかにされているがんの要因を述べます。

 

1.喫煙

 

これまでの研究から、たばこが肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となることが、科学的に明らかにされています。また、たばこを吸うと、本人だけでなく、吸わない人にも健康被害を引き起こします。がんを予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的です。現在たばこを吸っている人も、禁煙することによってがんになるリスクを下げることができます。

 

2.飲酒

 

飲酒は口腔、咽頭、喉頭、食道、大腸、肝臓、乳房の癌のリスクを上げる、と報告されています。飲酒により体内に取り込まれたエタノールは、動物での発がん性が示されているアセトアルデヒドに代謝されることが、がんの原因になると考えられています。また、飲酒は、免疫機能を抑制するとともに、エストロゲン代謝へ影響を及ぼすこと、食事が偏り栄養不足につながることから、がんの原因となることが報告されています。なお、喫煙者が飲酒をすると、食道がんやがん全体の発症リスクは特に高くなることがわかっています。

 

3.食物・栄養

 

 食物や栄養について、さまざまな研究が行われていますが、確実に癌のリスクになるとされている食品は少ないです。確実なものとしては、牛・豚・羊などの赤肉や加工肉は大腸癌のリスクを上げるとされています。また、食物繊維を含む食品が大腸癌のリスクを下げ、中~高強度の身体活動が大腸癌のリスクを下げるとされています。

 

 野菜・果物にはカロテン、葉酸、ビタミン、イソチオシアネートなどさまざまな物質が含まれており、これらの成分が発がん物質を解毒する酵素の活性を高める、あるいは生体内で発生した活性酸素などを消去すると考えられています。しかし、野菜・果物は、確実にがんのリスクを下げるという報告はされておらず、じゃがいもなどを除いた非でんぷん野菜が、口腔・咽頭・喉頭で、果物が口腔・咽頭・喉頭・肺で、がんのリスクを下げる「可能性が大きい」と報告されています。国際がん研究機関は、「野菜・果物によるがん予防効果は、必ずしも確立した関連ではない。しかし、がんを含むあらゆる病気の予防の観点から、野菜・果物を多くと摂ることは推奨される。」と報告しています。

 

 塩蔵食品は胃がんのリスクを上げる「可能性が大きい」と報告されています。高濃度の塩分は胃粘膜を保護する粘液を破壊し、胃酸による胃粘膜の炎症や、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌[H. pylori])の持続感染を引き起こしたりすることにより、胃がんのリスクを高めると考えられています。 また、塩蔵食品は塩分だけでなく、亜硝酸やニトロ化化合物などの発がん物質を含むため、胃がんのリスクを高めると考えられています。

 

4.運動不足

 

 運動は、大腸癌のリスクを確実に下げ、閉経後乳がんと子宮体がんのリスクを下げる可能性があることが報告されています。この理由としては、肥満の解消、血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きの改善、免疫機能の増強、脂質の吸収などを調節する胆汁酸の代謝への影響などがあると考えられています。

 

5.生活習慣による肥満

 

体格の影響で、以下のリスクが「確実」に上がると報告されています。

・肥満・・・食道・膵臓・肝臓・大腸・乳房(閉経後)・子宮体部・腎臓のがん

・成人後の体重増加・・・乳房(閉経後)のがん

・高身長・・・大腸・乳房・卵巣のがん

 

 肥満が発がんに及ぼすメカニズムは多様であると考えられますが、脂肪組織中から女性ホルモンの一種類であるエストロゲンが産生されることで、子宮体がんや閉経後乳がんのリスクを上げると考えられます。また、肥満に伴ってインスリンが十分に働かなくなり、インスリンが過剰に分泌されてしまう高インスリン血症が起きたり、細胞の増殖・分化を促進するインスリン様増殖因子が持続的に増加したりすることで、結腸がんなどのリスクを上げると考えられます。

 一方で、日本人などのアジア人を対象とした研究結果からは、やせすぎによってがんのリスクが上がることが観察されています。これは、栄養不足に伴う免疫機能の低下や、抗酸化物質の不足などによるものと推察されます。

 

6.ウイルス感染や細菌感染

 

 感染は、日本人のがんの原因の約20%を占めると推計されます。日本人では、B型とC型肝炎ウイルスによる肝癌、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)による胃癌などがその大半を占めます。他には、EBウイルスによる悪性リンパ腫や鼻咽頭がん、ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1)による成人T細胞白血病リンパ腫などがあります。

 感染による発がんのメカニズムは、HPVウイルスのように、感染体が作り出すがん性タンパク質による直接的な作用や、慢性の炎症に伴う細胞の壊死と再生による間接的な作用などが報告されています。

 

7.発がん性化学物質

 

ある種の職業や職業的に多く暴露する化学物質は、ヒトの発がんリスクを上げることが知られています。国際がん研究機関により、発がん性があると分類されたものだけでも120種類の化学物質職業がリストされています。関連する臓器としては肺が最も多くなっていますが、化学物質が直接接触する皮膚、吸入の経路である鼻腔・喉頭・肺・胸膜、そして排泄される尿路なども多いのが特徴です。

 

8.ホルモン剤

 

エストロゲンプロゲステロンアンドロゲンなどの性ホルモンが、乳房、子宮体部、卵巣、前立腺のがん発症に重要な役割を果たしていると考えられています。また、ホルモン剤や抗ホルモン剤は、一部のがんのリスクを上げる一方、他の部位のがんのリスクを下げることがわかっています。